今回はアーケード大型筐体の歴史をかいつまんでまとめてみました。
大型筐体のゲームは、「迫力」、「臨場感」を高めるために生まれたビデオゲームという位置づけでいいと思います。それを疑似的に表現していくという過程で行き着いたのが、
「筐体そのものを動かす」
もしくは、
「プレイヤー自身が筐体を動かす」
といった「体感ゲーム」が一時代を築いていきましたね。
大型筐体の作品は、より迫力を表現するため、大画面、大音量、そして大多数の作品が「フロントビュー」という特徴があります。何度も同じこと書いて申し訳ないんですが、フロントビューはプレイヤーの視点で疑似的な3D空間をリアルに表現できるため、より迫力、より臨場感を演出することが可能です。主にレースゲーム、ガンシューティングというゲーセンの定番作品に用いられていますね。ガンシューティング筐体も大型筐体に分類されると思うのですが、すでに書いているのではしょります。あと、トレーディングカードを使ったカードゲームの大型筐体や、競馬ゲーム、スポーツゲーム、音ゲー大型筐体は除きます。
ではまたファミ通の進化表と共に振り返ってみましょう。
大型筐体進化表
≪筐体静止型≫
バレットマーク(セガ・75年)
↓
モナコGP(セガ・79年)
↓
ポールポジション(ナムコ・82年)→対戦型大型筐体、迫力を出す大型筐体へ
↓
スターウォーズ(アタリ・83年)
↓
アストロンベルト(セガ・83年)→動作を与える大型筐体、可動大型筐体へ
↓
ハードドライビン(アタリ・88年)
↓
リッジレーサー(ナムコ・93年)
↓
デイトナUSA(セガ・94年)
↓
セガラリーチャンピオンシップ(セガ・95年)
↓
電車でGO!(タイトー・97年)
↓
頭文字D Arcade Stage(セガ・2001年)
↓
湾岸ミッドナイト(ナムコ・2001年)
↓
アウトラン2(セガ・2003年)
筐体静止型は表のとおりレースゲームが大半を占めています。
シューティングと同様、80年代からアーケード業界を支えてきた花形ジャンルですからね。私はレースゲームが超苦手なヘタレなので、ハマるまではいかなかったのですが。でもレースゲームがうまい人ってカッコイイっす。
作品ピックアップ
モナコGP

セガの作品。
やっぱりショボい。まだ3D(フロントビュー)ではなく、トップビューという視点に時代を感じます。ひたすら走るだけのゲームでしたが、当時は人気ゲームのひとつでした。
ポールポジション

1982年ナムコの作品。
日本初の疑似3Dレースゲームとして有名な作品。といってもまだポリゴンではありませんが。当時最高峰のコンピューターグラフィック性能、ビデオゲーム初のステレオ音響システムを採用。スターテインググリッドを決める「予選」の要素が初めて入った作品で、爆発的ヒットを記録し、82年を代表するレースゲームとなりました。このシステムは「ファイナルラップ」へと引き継がれていきます。
ハードドライビン

1988年、アタリ社の作品。初の3Dポリゴンレースゲーム。
・・・あれ、ファミ通にはウイニングランがポリゴン日本初と書いているぞ。ウイニングランは1989年のナムコの作品だから・・・日本企業ではナムコのウイニングランが最初って意味かな。アタリ社はアメリカだから除外したんでしょうか。画像のとおり、テクスチャーも貼ってないむきだしポリゴンです。この作品は通常のドライブゲームと同様、チェックポイントなどはあるんですが、ポリゴンの3D技術を見せたかったのか、回転道路やジャンプ台といったアクロバチックなステージなどが用意されてます。プレイヤーがミスした時、リプレイシーンが流れるという作りも面白い。
リッジレーサー


1993年登場。ナムコのレースゲームの代表作。
3Dポリゴンに「テクスチャー」を貼る技術で美麗なグラフィックを表現できるようになりました。セガから、同じくテクスチャーを張り付けたレースゲーム「デイトナUSA」が翌94年に登場します。
デイトナUSA

こう見ると、90年代のポリゴン技術は、セガとナムコの一騎撃ちだった印象ですね。3Dポリゴン格ゲーの「鉄拳」と「バーチャファイター」でも争ってますし。両社ともエレクトロニクス技術には定評がありますからね。
頭文字D

最近ではコンシューマー機に対抗するため、アーケードでなければ遊べないギミックやプレイデータを残せるバックアップ機能をつけることでリピーターを確保するものに進化しています。頭文字Dではマイカーのチューンデータ、レコードタイムが磁気カードに記録可能。
≪対戦大型筐体≫
ファイナルラップ(ナムコ・87年)

1987年ナムコの作品。
ポールポジションの正統進化系。このゲームの最大の特徴は、史上初の通信対戦機能を持っていること。最大8人プレイ可能。とにかく対戦プレイはアツかったです。私が唯一みんなとハマったレースゲームだったのかもしれません。対CPU戦では味わうことができない「他人と競わせる面白さ」。もしかすると、ボンバーマンもこれをヒントに多人数対戦プレイできるようにしたのかも。最下位ほどマシンの性能が上がり、バランスを取っていた作りになってましたね。レースゲームって、ポリゴンなどのグラフィック性能とか、ハード性能によって、よりリアルな映像になっていっているけど、そんなリアルな映像ばかり追求しなくてもいいと思う。ゲームとは娯楽なのだし、そんなリアルにドライブしたいなら実際ドライブすりゃいいんだし。
≪迫力を出す仕掛けを搭載した静止大型筐体≫
サブロック3D(セガ・82年)
↓
TX-1(辰巳電子工業・83年)
↓
ダライアス(タイトー・86年)
↓
ミッドナイトランディング(タイトー・87年)
↓
ナイトストライカー(タイトー・89年)
↓
スターブレード(ナムコ・91年)
作品ピックアップ
サブロック3D


筐体内にある潜望鏡に発射したミサイルや敵を疑似立体的に見せるシステムを採用。特定条件で海賊船などの隠れキャラも登場。
ダライアス


1986年タイトーの作品。
19インチのモニター3台を連結した大迫力大型筐体横スクロールシューティングゲーム。ベンチシートに内蔵されたボディソニックによる重低音、臨場感を向上させるためのイヤホン端子を搭載。3画面をフルに使ったゲームの完成度も含め、シューティングゲームの演出関係における究極進化系。ワイドスクリーン、良質なBGM、美麗なグラフィックと、シューターに愛され続けている名作。ゲームシステムは、自機シルバーホークを操り、侵略者ベルサーから惑星ダライアスを守ることが目的。攻撃方法はショットと対地ミサイル。敵キャラが海洋生物なのが特徴。また、ボスを倒すとルートを選べるというシステムも面白い。さすが老舗のタイトーといったとこでしょうか。ただ、ぬるいプレイヤーでは攻略できない。難易度高し。
≪可動大型筐体≫
スペースハリアー(セガ・85年)
↓
アウトラン(セガ・86年)
↓
アフターバーナー(セガ・87年)
↓
ギャラクシーフォース(セガ・88年)
↓
R360(セガ・90年)
↓
F-ZERO AX(セガ・2003年)
作品ピックアップ
スペースハリアー


プレイヤーの操作に合わせて筐体が動く疑似3Dシューティング体感ゲーム。ハングオンに続いてセガから登場した体感ゲーム第2弾。超能力戦士ハリアーを操って敵の攻撃や障害物をかわしながらビーム砲で撃破していくという迫力、スピード感、爽快感とも申し分ないヒット作品。敵キャラでどう見てもドムだろ!ってやつがいましたなあ。
アウトラン


1986年登場。クラッシュ時にはシートが振動するセガの超ヒット体感レースゲーム。ステージごとに表現豊かな背景グラフィック、独特のコーナーリング、スタート時にBGMを選べるのは当時斬新。コースの選択など、今までのレースゲームには無かったテイストを搭載。「レース」という位置づけよりも「ドライブ」といった表現が似合いますね。それまでのレースゲームはただひたすらタイムとの戦いって感じですが、アウトランは背景の美麗なグラフィック、気持ちいいBGMにオープンカーと、とても解放感がありました。
アフターバーナー

1987年登場のセガのメジャータイトル。疑似3Dシューティングゲーム。
私はアフターバーナーUしかプレイしてません。調べてみたら、アフターバーナー(1)は、未完成だったため、、3ヶ月ほどでにIIに差し替えられたんだとか。操作方法は、操縦桿のバルカンとミサイル。そしてスロットルレバーで速度の調整も可能といたれりつくせり。とにかくモノ凄いスピード感と地上、上空が360度回転する演出、迫力に圧倒されました。筐体もかなり激しく動くのでちょっと恥ずかしかった思い出があります。
サンダーブレード

87年セガの作品。
表には載ってませんが、知名度が高い名作の一つ。操縦桿でヘリを操作する体感大型筐体ゲーム。トリガーでキャノン、ボタンでミサイルを発射。スロットルレバーで速度の調整ができ、見下ろし視点から始まり、途中で自機を後方から見た正面視点に切り替わる演出が面白い。
R360

90年、セガより登場。ギャラクシーフォースをさらに進化させた感じの体感専用大型筐体。私はみたことなかったんですが、すごそうですねこれ。その名のとおり、前後左右上下360度筐体が回転する、究極の体感大型筐体で、緊急時のために稼働中は添乗員が付き添う必要があるという恐怖の筐体らしいです。プレイヤーが真っ逆さまになることもあるのでシートベルトを装着してプレイ。ここまでくるとアトラクションですな。しかも1プレイ500円・・・高い。この筐体の登場後、筐体価格の高額化、ランニングコストが膨大なことから体感大型筐体は終息に向かっていったようです。WIKIによると、R360は1500万円だとか・・・採算とれないでしょうね。この筐体に1500万かける位だったら家欲しいです。ゲームシステムは「ジー・ロック」をベースとした戦闘機シューティングらしい。
≪プレイヤーが動作を与える大型筐体≫
ハングオン(セガ・85年)
↓
アルペンレーサー(ナムコ・95年)
↓
ダンスダンスレボリューション(コナミ・98年)
↓
ツッコミ養成ギブス ナイス☆ツッコミ(ナムコ・2001年)
作品ピックアップ
ハングオン


1985年セガから登場のバイクの形をした専用筐体。体感ゲームの元祖。このバイク筐体自体を傾けて画面上のバイクを操る操作方法が独創的。ゲーム内容は制限時間内に5ステージを駆け抜けるといったもの。
アウトランやバーチャファイターなどを生み出した鈴木裕氏の作品で、ゲームシステム的にはチェックポイントを通過するとタイムが加算されるお馴染みのシステム。
アルペンレーサー

1995年ナムコより登場。疑似3Dスキーレースゲーム。
筐体中央にある板に乗って、板を左右に傾けることによってキャラクターを操る斬新なインターフェースを採用。ウィンタースポーツの人気競技のアルペンスキーを題材にした大迫力の大型プロジェクション画面に驚きました。
まとめ
80年代の大型筐体はやっぱりといいますか、当時としてはセガ、ナムコの2強が大半の作品を占めていますね。
90年代後半に入ると音ゲー部門にめっぽう強いコナミ(ビートマニアやダンスダンスレボリューション、ギターフリークスなど)が対抗馬として奮戦していきますが。
大型筐体の進化を支えたのはゲーム内容もさることながら、それと連動して筐体を動かすというエレクトロニクス技術、コンピューターグラフィックスの進化でもあると思います。現在、筐体を動かすといった大型筐体体感ゲームは、昔と比べ数が少なくなってしまったとはいえ一つの時代を築いたことは間違いないです。


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