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2008年02月10日

球技スポーツゲームの疑問についての考察

久々に考察記事を書いてみたいと思いました。
前回の記事書いてて思いつき、こんなの書いたら面白いかなと思って。球技スポーツゲームの考察です。


それではスタート

球技系のスポーツゲームはいろいろな種類がある。
その中でも作品が多いのは、

@野球ゲーム
Aサッカーゲーム
Bゴルフゲーム
Cテニスゲーム
Dバスケットゲーム
Eアメフトゲーム
Fドッジボールゲーム
Gバレーボールゲーム
Hアイスホッケーゲーム
I卓球ゲーム

作品数が多い順に並べてみた。実際ちゃんと調べたわけではないので違うと思われるが私のイメージとしてはこんな感じ。ちなみにバトミントン、ボーリングなどは球技なのか不明だったので除外。いや、そもそもバトミントンのゲームは存在してないか。


では「プレイヤー視点」について考察する。

私はシューティングの考察でも書いたが、ゲームの視点を考察するのが好きだ。メーカーがどのような考えで作っているのか?とか、ゲームとスポーツをどうゲームシステムに反映させているのか?とか考えると違った見方でプレイできるからである。

スポーツゲームの我々プレーヤーの視点、それは大きく分けて3つに分類される。

@縦視点(見下ろし画面)
A横視点(ベルトアクション風)
B作品によって縦、擬似3D、横視点が存在するゲーム

この3つ。
ではジャンルごとに分類してみよう。

縦(見下ろし画面)
野球ゲーム(打撃時、投球時は擬似3D)
ゴルフゲーム(スイング時は擬似3D)
テニスゲーム(見下ろし型よりいくらか視点を下げた視点)
卓球ゲーム(テニスと同じ)

横視点
ドッジボールゲーム
バレーボールゲーム
アイスホッケーゲーム

作品によって縦、擬似3D、横視点が存在する作品
サッカーゲーム
バスケットゲーム
アメフトゲーム


このように分類してみた。
では縦視点のスポーツゲームから見ていこう。


≪縦視点作品≫

縦視点ゲームは野球、ゴルフ、テニス、卓球だ。
なぜ横視点ではダメなのだろう?

まず野球。


野球ゲームはなんとなく理解できる。
それは横視点にしてしまうと空間を表現できなくなるからである。
例えば変化球。疑似3D縦視点ならば、左右、下、斜め下などの変化球の表現が可能だ。説明しなくても疑似3D縦視点のパワプロで十分に分かるだろう。

パワプロ


では横視点の野球ゲームを想像してみよう。
横視点では下への変化球は表現できるだろうが、左右、斜め下の変化球の表現は不可能になる。ただし、それは2Dだった場合で、ドッジボールゲームのようにベルトアクション視点にして奥行きを出し、疑似的に3D化すれば何とかなるかもしれない。しかし、それでも横視点の左右の変化球の表現は微妙だろう。例えば横視点でピッチャーが右から打者のいる左へ投げたとする。バットスイングの際、右打ち打者ならボールが見えるだろうが、左打ち打者の場合、打者でボールが見えなくなるだろう。

そして問題は守備時だ。例えば外野にフライを打ったとする。

球技ゲームはボールの位置を正確に把握するため「ボールの影」を必ず表現しなくてはならない。縦視点ならば、ボールの影を追っていき、落下地点にキャラを移動させるというものだ。非常に分かりやすいし違和感がない。これが2D横視点だったらどうだろう?そう、まったくボールの影が表現できない。画面外に飛んでいったボールの落下地点が分からないから、ボールが画面内に落ちてきたら急いでキャラを移動させなければならないだろう。これもベルトアクション風にして表現することも可能であろうが、遠近感が分かりづらいことは否めない。

以上のことから横視点の弱点は、

上下(重力)の表現は得意だが、左右の空間の表現は苦手

ということになる。

そのため、最低でも奥行きを出して3D表現させなくてはならないのだ。



次にゴルフゲームで考えてみよう。
ゴルフゲームもトップビューでなければゲームシステム的に困難だ。ゴルフゲームはキャラのスイング画面を疑似3D視点、全体マップに縦見下ろし画面を使用する作品が多い。なぜなら擬似3D視点だけでは視野が狭いため、フィールド全体を把握できないためだ。


ゴルフ
ショットの擬似3D画面と見下ろし画面のマップ



マリオオープンゴルフ
擬似3Dショット画面と、見下ろし画面マップが切り替わる。
ショット時


マップ時

野球ゲームのようにボールを捕球する必要がないため、サイドビューでも大丈夫なんじゃないかと思われるかもしれないが大きな問題がある。それはこれも野球ゲームと同じ、スライスなどの左右のスピンボールの表現だ。前述した様に縦視点なら容易に球の上下左右の表現が可能だ。


例外なのがテニスと卓球。
言ってみればドッジボールゲームのようにサイドビューベルトアクションでも問題無いように感じる。では、なぜテニスゲーム、卓球ゲームは縦視点作品しか存在しないのだろう?

卓球ゲーム「スマッシュピンポン」


プロテニスワールドコート


テニスゲーム「ファイナルマッチテニス」


それは選手のラケットに秘密がある。
テニス、卓球ともに、ラケット一つで右に来た球、左に来た球を打ち返すスポーツだ。前述したように横視点は、上下(重力)の表現はできても左右の表現をするにはベルトアクションのように奥行きをださなければならない。それでも可能なことは可能だが、横視点で自キャラの右に来た球、左側に来た球をラケットに当てる時の「当たり判定」の表現は難しいんじゃないかなと思う。ドッジボールはラケットが存在しないし、ボールを受け止める時の当たり判定はキャラとボールだけなので横視点ベルトアクションで表現可能である。

このようなことから縦視点だと全て効率的に表現できる。左右に振るラケットの表現&ボールの左右の打ち分けも容易。対戦時は上側、下側で有利、不利が存在するが、コートチェンジがあるので同条件である。

そしてもう1点、縦視点になっている要素がある。それは、

テレビ中継

これである。
試合中継でもニュースでもいいが、テレビで放送されているテニス、卓球を思い出してほしい。全て縦視点で放送されていることに気づくはずだ。そして選手(主に日本人選手)が手前という構図が多い。

理由は縦視点の方が選手の左右の動き、左右の打ち分けが視覚的に認識しやすいからである。選手のダイナミックな動きもこの視点の方が分かりやすいというのもあるだろう。このように少なからずゲームの操作システムの他に、実際の試合を、よりリアルに表現するためテレビ中継と同じ視点にしているのでは?という結論に至った。



では次に横視点の作品を見てみよう。

≪横視点作品≫

横視点のスポーツゲーム作品は全てベルトアクションのような奥行きがある。これも前述したようにボールの左右の表現&ボールの影(落下位置)を表現するためである。ドッジボール、バレーボール、アイスホッケーがこのタイプに分類される。

まずはドッジボールだ。

熱血高校ドッジボール部


バトルドッジボール


これは分かりやすい。ドッジボールの特徴として、相手が放ったボールを受け止めなければならない。

ドッジボールゲームを擬似3Dで想像して考えてみよう。

@相手がボールを放つ
A受け止める

この受け止める時が問題だ。
擬似3Dだと受け止めるキャラが邪魔でボールが見えなくなるのである。これはドッジボールが道具(バット、ラケットなど)を使わない点が視点に大きく影響しているのだ。野球、テニス、卓球などは道具を使って来た球を打ち返す。そのため、縦視点で球を打ち返す時、ボールが見えなくなることはない。

しかしドッジボールはキャラ自身でボールを受け止めなくてはならないため、擬似3Dにすると来たボールが自キャラで見えなくなってしまうのだ。擬似3Dは遠近感が横視点よりも分かりにくい。例え縦視点(見下ろし型)だったとしても、テニスゲームのようにコートチェンジが無いため有利、不利が生まれるだろう。このことからドッジボールが横視点なのは納得がいくのである。1P、2Pとも公平であるからだ。


バレーボール、アイスホッケーも同様に同じことがいえる。

バレーボール


スティックハンター


縦視点になるとやはり上側、下側で有利不利が生まれてしまう。
したがって1P,2P共に平等な横視点が必須であるといえる。




≪作品によって縦、擬似3D、横視点が存在する作品≫

ではサッカーゲームから紐解いていこう。
サッカーゲームは今でこそ横視点作品がスタンダードとなっているが、昔は擬似3Dや斜め上からピッチを見下ろすといった視点の作品もあったのである。なぜ擬似3D、斜め見下ろし視点が消えてしまったのだろう?


擬似3D作品
スーパーフォーメーションサッカー


フォーメーションサッカーシリーズは結構ヒットした印象がある。
タイトルの通り、本格的なフォーメーションを採用した作品で、アクション性が高かったのもヒットした要因の一つだろう。スーファミの拡大縮小機能を活かした疑似3D縦スクロール画面が画期的だった。消えていった原因がファミ通にこう書かれている。

「自陣が画面の上になるか下になるかで、対戦プレイ時に有利不利の関係が生まれる」

とのこと。
理由自体は他のスポーツゲームと同じだ。しかしこれはたいした問題じゃない。なぜなら前半後半でピッチが逆になるからだ。そんなこと言ったらテニスゲームも否定することになる。問題は擬似3D視点にあるのだ。下の画面を見ていただこう。


手前から奥へ攻める時

この様に、手前から奥へ攻める時は、相手ゴールまでの味方キャラ、敵キャラの配置が認識できる。これに対して奥から手前へ攻め入る時は、

奥から手前へ攻める時

画面のように相手ゴールはおろか、敵選手の位置などがまったく把握できないのである。ドリブル中にいきなり敵選手が目の前に出現したりするのだ。あまりに理不尽である。システム的には未完成と言わざるをえない。そしてやはり疑似3D縦視点は遠近感がつかみづらいことも挙げられる。キャラとボールのタイミングがとりづらい。結果的にボールとキャラの当たり判定は曖昧になってしまっている。

ここで擬似3D視点の弱点を挙げてみる

1、遠近感が分かりにくい。
2、視野が狭いため、フィールド全体を認識しにくい。
3、奥から手前へ攻める時、敵陣地を把握できない。

この3点だ。擬似3D視点は我々プレイヤーの視点である。そのため臨場感、迫力を演出できるが視野は狭くなる。解りやすく説明しよう。スペランカーという作品がある。


スペランカー

視点は真横から見た視点そのまんまである。第3者的立場から見ている視点だ。このスペランカーを擬似3D視点にしてみよう。


こんな感じになる。
洞窟の全体像がまったく分からないのだ。
そのため擬似3D作品は、視野が狭い弱点を補うため、全体マップも付加する作品が多く登場する。そう、前述したゴルフやドライブゲーム、新しいところではコーエーの無双シリーズなどもそうだ。

ゴルフ


F−1レース


結論として擬似3Dは1人プレイ向きの視点なのだ。
対戦では明らかに有利、不利以前の問題としてシステム的に無理がある。どうしても擬似3D視点で対戦作品を作るのならば、マリオカートの様に画面分割したり、ネット対戦などして常に手前から奥へ攻める構図で製作するのが望ましい。

PCエンジン
ダブルダンジョン

擬似3DダンジョンRPG。
画面分割により2人同時プレイ可能のメサイヤの名作。喧嘩も可能。

ファミコン
ファイナルラップ

画面分割すると臨場感、迫力の低下&視野がさらに狭くなる。ネット対戦はテレビ1台でプレイできない。これらのことからゲーム環境の手軽さ、公平さという意味でも横視点がスタンダードになったのは当然といえるのかもしれない。

斜め視点作品が消えたのは必然。
何もスポーツゲームに限った話ではない。
理由は非常に操作しにくい。この一点である。
つっても作品はこれしか知らないが。

燃えろ!プロサッカー

・・・まったく燃えない・・・

斜め見下ろし視点、クォータービュー視点などはキャラをリアルタイムで動かすジャンル、アクションやシューティング、スポーツゲームには適さないのである。RPGの戦闘画面やシミュレーションゲームのように、キャラをリアルタイムで操作する必要の無いジャンルに向いているといえる。



アメフト、バスケも縦、横視点の作品がある。
しかし、これらも横視点が主流になっていった。


縦視点
ファミコン
「10ヤードファイト」


横視点
スーパーファミコン
「テクモスーパーボウル」


ディスクシステム
エキサイティングバスケット


理由は全く同じ。
その方が対戦者同士公平だからだ。




まとめ
今回の考察で分かったことはこれだ。

縦視点(固定画面擬似3D)の球技ゲームは画面がスクロールしない固定画面作品が多い

ということ。
野球、ゴルフ、テニス、卓球である。
野球ゲームはスクロールするのだが、打撃時、投球時は固定画面だ。

そして

スクロールする疑似3D縦視点はスポーツゲームに向いていない

その理由は上記したように、

@対戦時、有利不利がある(手前にスクロールすると手前側の陣地が見えない)
A空間の遠近感を表現しにくい
B視野が狭い(フィールド全体を把握できない)

作るときは
@画面分割
Aネット対戦が必須。

このようなことが挙げられる。
結論としてはスポーツゲームの視点はテレビ中継視点に影響を受けている。ハード性能の進化によってグラフィック、ゲームシステム、そしてカメラアングルなどもよりリアルに近づけるためだ。

以上、考察を終了する。


思ってることを一気に書いてみた。
毎度ながら文章力が無くて申し訳無いっす。どこか一つでも共感していただければ幸いです。

おしまい
この記事へのコメント
ウイニングイレブンシリーズも
Jリーグ絡みのゲームも
一切プレーしてないんですが
スーパーフォーメーションサッカーだけは
新品で購入したんです…懐かしい…

当時は最高のサッカーゲーム扱いでしたが
確かに対戦はやりにくかった…
Posted by MEL at 2008年02月10日 13:43
今回の記事、大変興味深く読ませていただきました。
ゲーマーのプレイ難度からの考察は面白い着眼点です。

ただ、私が思うにこれらのゲームはただ単にスポーツのテレビ中継を模しているだけ、という気がしないでもないですw
サッカー、バレー、テニス、アメフトなんかはもろにそうですね。
そもそも、テレビのスポーツ中継というものも、視聴者の見易さを意識して作られています。

一方、テレビ中継と異なった視点で表現されているのが野球ゲームでしょうか。
野球ゲームの場合、打者の一人称主観で表現されてるものが多く、ここの相違点というものが気になりました。

この記事を読ませていただいて、テレビ中継とゲームとの画面構成の差異の部分が妙に気になりだしてますw
Posted by カメロ at 2008年02月10日 13:54
確かにサッカーゲームの縦視点は見づらいですね。
ウイイレでも縦視点に変えられるんですけど、すんごくやりづらい。
いきなり敵選手が現れたりしますし。

しかし、アメフトであれば、縦視点でも全然オッケーだと思います。
むしろ、縦視点のほうがやりやすいかもしれない。
攻撃側が下、守備側が上という視点はとてもわかりやすいです。

このサッカーとアメフトの違いがどこに起因しているのかというと、アメフトは攻守の切り替えがはっきりしてるからなんではないでしょうか。
サッカーでは攻撃と守備がめまぐるしく入れ替わりますが、アメフトは攻守の切り替えがはっきりしている。

つまり、アメフトは野球と同じなんですね。
野球と同じく、攻撃する回と守備する回が明確に分かれている。

そう考えると野球ゲームと縦視点が相性がいいように、アメフトも縦視点が似合うということではないかと。
そして、攻守の切り替えが頻繁に起こるサッカー、バスケなんかは横視点のほうが合ってるってことじゃないかな、と思います。


Posted by bb at 2008年02月10日 15:48
サッカーゲームは
スーパーフォーメーションサッカーしかプレイしたことがないなぁ。
良く弟と一緒に遊んだものだ。
Posted by at 2008年02月11日 13:13
>MELさん
フォーメーションサッカーの視点は1人プレイでしたら面白いですね。ただ、やっぱり視界が狭いため、カウンターのロングパスなどはかなりアバウトになった印象があります。画面分割すれば対戦いけると思うんですが、視界に不安はありますね。

>カメロさん
的確なご意見ありがとうございます!そうですね、テレビ中継を模しただけというのが正しい答えな気がします。
野球に関しては燃えプロがモロにテレビ中継を意識した作りとなってますが、打者の操作は戸惑いますね。投手はいいんですけど。疑似3Dの対戦ゲームは画面分割するべきだと書きましたが、パワプロでうまく表現しています。投球時のキャッチャーミット画面ですね。あれで画面分割させているのにはナイスアイデアだと思いましたW

>bbさん
コメントありがとです。なるほど、凄く勉強になりました。たしかにおっしゃる通りです。野球、アメフトは攻守がしっかり分かれている。その他は目まぐるしく攻守が入れ替わるスポーツですね。視点でしか気にかけてなかったんですが、攻守のシステムにも秘密があったのですね。貴重なご意見ありがとうございました!

>ななしさん
私がハマったのはエキサイトステージ95でしたね。操作性が素晴らしく、アホみたいにプレイしてましたよW
Posted by ふうのしん at 2008年02月13日 08:31
臨場感を重視するなら3Dだし、プレイしやすさを重視するならトップビューになりますよね。大事なのはバランスかと。

オイラはスーパーフォーメーションサッカーにハマったクチですが、あれ極まってくると下攻め苦にならんかったす。どこに人がいるか大体分かってくるのでw
Posted by イタリア at 2008年02月15日 21:51
>イタリアさん
そうですねー。私もなんだかんだ書いてますがバランスさえ良くできていれば文句はないっす。結局人がなんと言おうと自分がプレイしてて面白ければいいと思ってますし。

!凄いっすね!スーパーフォーメーションサッカーは苦手でありました・・・当時、負けても視点がおかしいよ!!!つって言い訳してました(笑)
Posted by ふうのしん at 2008年02月16日 17:10
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