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2010年01月23日

燃えプロを創った男:関雅行氏インタビューについて

コンティニューVOL.14の関雅行氏のインタビューより、燃えプロのところだけ抜粋。



158万本も売れた「燃えプロ」

文:多根清史氏







「燃えろ!!プロ野球」を作られたきっかけは?

それまでは、アーケードゲームからの落とし込みなわけですよね。そろそろ、ファミコン独自のゲームを企画しよう。だったら、野球だと。野球だったら、僕もゲームのプロデュースができる。当時は任天堂の「ベースボール」しかなかったし、いろんな展開ができるんじゃないか、と思いましてね。それで開発に入ったんですが、ナムコさんから「ファミスタ」が発売されちゃった。これはすごい、ということで、急きょ開発を止めたんです。でも我々としては野球に思い入れがあるし、ぜひとも作りたい。だったら、「ファミスタ」と違う切り口のリアル路線しかない、野球観戦ノリで行こう、となりまして。



開発中止になった「燃えプロ」の原型は、どういう内容だったんですか?

基本は「ベースボール」でした。原作のキャラクターが小さいから大きくしようとか、当時は自社生産でしたから、NECの音声合成ができるチップを採用できたし、ROMの容量も自由に増やせたんです。これならリアルなものができるんじゃないかと。



音声合成のあの声は、サンプリングデータを流しているわけですよね。小さいROM容量の中で、相当なボリュームを割り当てていたんじゃないでしょうか?

小さいといっても、256KB(ビット)は乗ってたんじゃないですかね。最初のファミコンソフトは64KBぐらいで、「ファミスタ」は2KB、うちはグラフィックだけで128KBぐらいでしたね。当時としては、デカい方ですよ。いまは容量の単位が「M」だけど、あの頃は「K」でしたから。なんでジャレコのゲームだけ、「アウト」、「ストライク」、「ボール」って言えるんだ、と他社さんも騒がれてましたね。そのせいか、任天堂もチップを入れるようになったんです。



燃えプロは1球団につき選手が30人も登録されていますよね。現行の野球ゲームと比べても、この人数は多いです。ベースボールでは選手の概念すらなかったのに。リアル路線というか、データ野球を意識されていたんでしょうか?

なぜ?というより、そうすべきだと思ったんですね。



では、ファミスタのナムコスターズのような、オリジナルの球団を入れなかったのはなぜでしょうか?

そこまでアイデアが回らなかったな(笑)。



燃えプロは投手のモーションに、愛がありますよね。8コマのリミテッドアニメで表現されているんですが、均等じゃない。「タメ」があったり、凝っている。たとえば村田兆治のマサカリ投法は、「よっこいしょ」とちょっと遅れて投げる感じがよく出ていますね。

リアルというところに集約されているのかもしれませんが、三頭身ではなく八頭身。みんなが見慣れている、テレビ中継に近づけよう、ということですね。でも、ご存知のとおり、ファミコンにはスプライトがあって横並びにキャラクターを置くのは限界がある。だから、バッターが上にいて、ピッチャーが下にいる構図は、やむを得ないんです。







そういやファミコンはスプライトを横に並べるのは苦手なのよね。
グラディウスのレーザーとかよく引き合いに出されるけど(おそらくテグザーとかも)。詳しくはわからんけど、スプライトを横に並べるとドット欠けが生じるらしい。1画面に動かせるスプライトの数も決まっているらしく、限界に近づくとチラついたり処理落ちするという考えでいいのだろうか。その点、PCエンジンはファミコンよりもスプライトの制約がないようで、レーザーは長く、オプションも4つとバリバリアーケードの感覚。






横がダメなら縦はどうだった?と振り返ると、スターソルジャーのレーザーは長かったなーと。制約があるのは横だけなのかしら。







そういやゲームボーイのR-TYPEはがんばって反射レーザーを再現してた。もしかしてファミコンよりゲームボーイのほうがスプライト表示性能は上?。












他に苦労したのは、アクションゲームとしての調整でした。最初に作っていたものは、バッターとして打つときに、どこにボールが来ているのかわからなかった。だからボールの下に影をつけて位置がわかるようにしたんです。それなりに工夫しているんですよ。



開発期間は何ヶ月ぐらいですか?

いったん中断してますから。中断を入れても、正味半年です。ジャレコ株の店頭公開が間近に迫っていたんです。経営的には、6月に出したい。だけど、現場サイドとしてはバグが多すぎる。1ヶ月もしくは2ヶ月延ばさないと商品にならない。それでも、どうしても出せ、ということで、現場の尻を叩いて発売に踏み切ったんです。



バグが残っているのは、承知の上だったんですね(笑)。

バグの中で一番傑作だったのが、ストライク判定なんですよ。俯瞰の視点で見ているから、ストライクゾーンがわかりにくい。わかりにくいけど、神経使って作ったから、そこを間違えるはずはないんです。でも、発売したら、やっぱり電話がかかってくる。クレームはたくさんあったんですけど「こうやって振ってください」というと、皆さん納得されたんですね。でも、一部の人たちは、「どこに投げてもストライクになる」というんです。そんなわけないんですね。実際、我々がやってみたら、ボールと判定している。そのとき、ふと気づいたんですけど、人によっては(投手が投げる前に)素振りするんですよ。それが、かなり早い時期からカウントを取っているので、ストライクと判定されるんです。直すのに、時間も人数も費やしましたね。



次の出荷分からバグは直されたんですね。いくつかのバージョンがあるんでしょうか?

マスクROMですから、その生産を待っていると、バグ対応が間に合わない。市場が沸騰して、どんどん売れる。クレームは入ってくるし、どうしても欲しいお客さんもいますしね。また、当時は主な販売先が、デパートの玩具売り場だった。デパートは、ユーザーへの対応が非情に丁寧なんですが、反面、メーカーや問屋への対応が非情に厳しい。そんなわけで、原価としては3倍ぐらいかかるんだけど、EP-ROMに焼いて出荷したんです。



EP-ROMって、開発機材としても使われる、書き込み可能なROMですよね。それをそのまま売っちゃったんですか?

ええ、ユーザーから来るたびに、どんどん節操なく新データを入れていっちゃう。バージョンがいくつあるかわかりませんね。



燃えプロには黒いカセットと、赤いカセットがありますよね。

記憶にないな・・・。ジャレコの場合は、ゲームごとにカセットの色を変えていたんです。



燃えプロもファミスタも、シリーズの最初は選手が実名なんですが、次のものからは偽名に変わっちゃってますよね。どういった経緯があるんでしょうか?

売れに売れましたから、3球団からクレームが入ったんです。でも、我々としても、対応の仕方がわからないわけです。ちょっと名前を変えればいいじゃないか、だけで済んでいた。当時は、のどかだったんでしょうね。後に、バップさんが権利関係を取りまとめて、正式な商品(スーパーリアルベースボール)を出した。そうすると、我々にとっても、簡単になるんですよ。12球団を回って交渉するにしても、それぞれ価値観も違うし、同じ条件で了解を取るのは不可能です。バップさんが先例を作ってくれたから、ありがたかったですね。



前評判はうなぎ登りだったんですが、実際にプレイすると、10分くらいで「野球とは違うゲームだ」と気づきますよね(笑)。発売された後、反響の落差は激しかったですか?

うーん、バグを含めて、バランス調整もできてなかった。何しろ、プレイ時間が長い。1試合1時間以上かかりましたが、任天堂もナムコのゲームもテンポが良い。けど、リアルを追求する上で、それがリアルじゃないかと(笑)。



じゃあ、バントホームランも意識して残したわけじゃない?

ええ、「クロマティにデッドボールを当てると、乱闘が起こる」のは、意識的に入れましたけどね。燃えプロで市場は端境期を迎えたと思ったんですが、全然そんなことはなかった。燃えプロを発売したあと、僕ジャレコを退職して、ヘクトを設立したんです。



発売したときの周囲の反響は、どんなものでした?

僕が覚えているのは、発売日に市場調査に行ってくると言って、新宿の西口の階段を上がっていったんです。すると「最後尾です」と、ヨドバシカメラの立て札が見えたんです。ずっと前のほうに行ったら、燃えプロの行列だった。うれしくなって、店の人に名刺を出したら、怒られちゃった。「なんでこんな数しか出さないんだ!」って。行列を見たときは、背筋がゾクゾクしましたね。その醍醐味を社員に味合わせたいなと思っているのですが、残念ながらそれ以降ないですね。



ジャレコを退社されたあと、「燃えろ!!」シリーズは見ておられました?

いや、見てなかったですね。振りかえると、燃えプロはやりたいことが、ナマのまま出ている。もっと消化すればよかったんでしょうけど。ただ、アイデアを形にしたことは、評価していただきたいですね。



関雅行氏プロデュース野球ゲームリスト

燃えろ!!プロ野球(1987年6月26日発売、FC、ジャレコ)
エモやんの10倍プロ野球(1989年12月19日発売、FC、ヘクト)
古田敦也のシミュレーションプロ野球(1995年4月28日発売、SFC、ヘクト)
シミュレーションプロ野球(2000年3月24日発売、Windows、ヘクト)






燃えプロで1番知りたかったのが「4番打者はバットに当たればホームランになる」というのはバグなのか仕様なのか?ってことなんだけど、残念ながら言及せず。これもおそらくバージョンによっては違ってくるのかもしれない。燃えプロの出荷本数はやっぱり凄まじかったようで、よく燃えプロのカセット収集しているマニアとか話題になりましたな。まだ収集しているのかしら。



今回、このインタビューを採り上げたのは、久々にファミコンお絵かきリレーが回ってきたから。面白ゲーム変遷史のsergeantさんからのお題は「じゃじゃ丸くん」。ジャレコつながりということで。






活目して見よ!これがふうのしん版じゃじゃ丸だ!!!


































自分で作っておきながら不覚にも爆笑。
じゃじゃ丸は調子にのってウィザードリィ仕様に。変態仮面に見えなくもない。下にいるクリーチャーはガマパックンである。さくら姫は、女の子ということで、キャプテン翼風に瞳をキラキラさせたら、かえってそれが逆効果だったようだ。呪いの菊人形かと思ったぞ。なまず太夫に至っては、なにがしたいのかわからん状態に。邪教の館でサガットとねずみ男を合体させたら、たぶんこうなるんだろう。アップしてから気づいたが、耳もねーじゃんコイツ。





邪邪丸と描いて、ふと思い出したが、ギャルゲーで「邪!」と口走って、いてつく波動を繰り出すツンデレヒロインがいたな。



桜吹雪

宮乃紫苑







失礼、表現を誤った。この人、ツンだけで最後までデレ無いし(笑)。
エロシーンはあるけどね。ドMな人にはたまらんキャラ。







ちなみに、関氏はじゃじゃ丸くんの名前の由来についてこう語っている。


NHKの「にこにこぷん」の「じゃじゃまる」からですね。響きが良かった。



クソ!じゃじゃ丸の「じゃじゃ」は、ジャレコのジャから命名されたと思っていたのに。見当違いだったか。




それでは次はよしのファミコンブログのよしさんにおまかせいたします。毎度すいません。お題はドラクエ4のテリーでどうでしょうか。






おしまい








posted by ふうのしん at 16:49 | Comment(5) | TrackBack(1) | ファミコン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふうのしんさん、あだせんと申します。


ブログを訪問させていただきました。


これからも、役に立つブログを期待しています。

ありがとうございました。
Posted by あだせん at 2010年01月25日 00:06
どこかの裸祭りみたいにフンドシ一丁のじゃじゃ丸。
こちらの予想を遥かに超越した画風です、参りました。

そういえば燃えプロは友人が持ってましたよ。
少し遊ばせてもらっただけなのでよく覚えてないけど懐かしいです。
Posted by sergeant at 2010年01月25日 20:09
早い!
まさか、もう書き上げたとはw
いやでも、良くできた作品ですね!
感服いたしましたw
Posted by 二条ジョウ at 2010年01月27日 02:38
ふうのしんさん、ブログを訪問しました、あだせんと申します。

お役立ち情報をありがとうございます。

これからも、役に立つブログを期待しています。

ありがとうございました。
Posted by あだせ at 2010年01月27日 07:09
燃えプロは当時結構ハマってました。
バントホームランはともかく、巨人が他のチームと比べて妙に強いので、対戦時には巨人の取り合いになったなぁ…。

>じゃじゃ丸
なんという世界観…。
何だかなまず太夫よりじゃじゃ丸の方がワルモノに見えますw
Posted by じぇふ茶 at 2010年01月27日 22:05
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[ゲーム][本]『燃えろ!!プロ野球』の制作者インタビュー
Excerpt: れとろげーむまにあ: 燃えプロを創った男:関雅行氏インタビューについて バグもバランス悪いのも承知の上で出していたんだ(笑)。というかバージョン幾つあるか分からないって(笑)。赤と黒の単純な二パター..
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Tracked: 2010-01-24 09:50
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