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2009年06月22日

暴れん坊天狗を創った男:中潟憲雄氏インタビューについて

2002年コンティニューVOL.4より中潟憲雄氏のインタビュー記事を採り上げさせていただき候。

滅ぼされた平家の怨念を晴らすため、源頼朝を倒しにいくという傑作アクションゲーム「源平討魔伝」と、アメリカ上空を天狗のお面が飛び回って人々を喰いまくる異色シューティング「暴れん坊天狗」の開発者が同じだったとは。この記事を読むまで知らなかったので衝撃。



 



たしかに両作とも奇抜な世界観を持ったゲームだけど・・・。記事を読んでいくと、ベラボーマンも中潟氏の作品だったらしい。










源平の開発秘話も、ベラボーマンのところも面白いんだけど、今回は暴れん坊天狗のところだけ抜粋。









暴れん坊天狗降臨





ナムコから独立されてメルダックで作られたファミコンソフトの「暴れん坊天狗」ですね。これは源平やベラボーマン以上に想像を超える展開なんですが(笑)。



あれはですね・・・ベラボーマンに「ベンジャミン大久保彦左衛門」という敵がいたじゃないですか。



いましたね。ヘビメタで金髪でホッケーマスク被ってる。





ヘビメタ忍者ベンジャミン






スタッフの中に専門学校からバイトで来ていた少年がいて、彼が当時ヘビメタをやってたので、ヘビちゃんと呼ばれてて、本当にあんな感じだったんです。



ベンジャミンは実在したんですか!



ええ。その彼をメルダックに引っ張ってきて、最初は音楽を作らせたんです。そのうち、絵も描きたい、企画もやりたいって話になって。それで書いてきた企画書が「暴れん坊天狗」だったんですよ。

でね、彼は正しく荒唐無稽な感性の持ち主で、本当、論理的じゃないんですよ、全てが。だって、スクロール面があって、手前にドットが浮いてて背景にレーザー光線が来てて、その間に距離感があったら絶対にヒットしないと普通思うじゃないですか。でも、仕様的にヒットするんだよね、これが。「これはおかしいだろ?」と言っても、「いや、これはこれでいいんです!」って。





背景から発射される距離感無視の当たり判定があるレーザー






さらに、やたらと怨念やら怨霊やらが好きで。それで「主人公は生首です」と。「そいつが将門の首塚から出て来て、アメリカに復讐に行くんですよ!」っていう。凄まじく不条理な世界。「なんで?」って聞いたら、「いや、これですよ!」みたいな(笑)。

それで、ちょっとコレ、モノにならないなって諦めたんだけど、当時の社長さんが、この企画を気に入っちゃって。それで、任天堂に企画出したんですよ。当然のごとくボツですよね。生首だし(笑)。

アメリカに行って自由の女神とかブッ壊すわけだから、アメリカの任天堂からもNGが出ちゃって。それで困った挙げ句、生首が天狗になった。その辺の経緯もムチャクチャですよ。




でもUSA版って本当に生首飛んでますよね。



そう。アメリカでは二転三転して、やっぱり生首で通してくれという話になったようで。自由の女神だけは変えなきゃいけなかったんだけどね。でも、すでにファミコン末期だったから、シューティングゲームは何を出しても売れない時代だったんですよねえ。天狗に関しても、技術的にはかなり頑張っているんですよ。でも、とにかく世界観がねえ(苦笑)。普通だったら、どこかでストップがかかりますよ、この企画は。社長が気に入っていたから実現したようなもので。暴れん坊天狗というタイトルも、社長自らが命名したものだし。



そういえば「暴れん坊天狗」が発売されたときに、東京の上空に「暴れん坊飛行船」を浮かべたのも社長さんですか?



アハハハハ(笑)。よく覚えていましたね。そうですよ!



よく許可が通りましたよねぇ、あれ。



いや、取ってなかったような・・・・。
その前の年に作ったメルダックの駅貼りポスターが「ファミコンいらねえ!」っていうコピーだったんですよ。それも当然、物議を醸したようですよ(笑)。




それは天狗のプロモーションで?



いや、メルダックの企業広告だったと思います。一種の意見広告なんだろうけど、理解されませんよねえ。その後、「王様の耳はロバの耳」という任天堂を揶揄したポスターもおとがめにあい、翌年から駅貼り禁止になっちゃいましたね(笑)。で、飛行船になったのでしょう。でも肝心の飛行船が小さかったんですよ。「なんか飛んでるなあ」ってだけで、よく分からなかった。



で、天狗の発売後の反響はどうでした?



全然パッとしなかったですね。販売的にも数万本といったところでした。5、6年経ってから、急にクローズアップされたんじゃないかな。

とにかく、企画している本人がマジですからね。狙ってやってないんだから。アメリカに復讐したいという一心で(笑)。そこが本物の凄みだったのかもしれないですよね。他の狙っているゲームに比べて、天狗は狂気の度合いが高すぎます。もうあんな作品は二度とできないでしょうね。







こんな感じ。
暴れん坊天狗ってアメリカ版もあったのか。しかも生首が飛んでいるんですと。そうするとタイトルは「暴れん坊生首」とか?月風魔伝では、敵キャラだけど生首飛んでたんだけどなあ。敵キャラではいいけど、マイキャラではNGとか、任天堂の規定でもあるのだろーか。


こんなんとか↓





どうやら暴れん坊天狗は、中潟氏が手がけたというよりは、ベンジャミンが企画を出して、メルダック社長が実現させたゲームだったようです。ベンジャミンこと、ヘビちゃんは、いま何をしていらっしゃるのでしょう。開発者の狂気という名のスパイスが十二分に効いたぶっ飛んだゲーム。暴れん坊天狗よ、永遠なれ。




おしまい




posted by ふうのしん at 09:39 | Comment(8) | TrackBack(5) | 企画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする